今日はオゾンのこわ〜い話をします。
オゾンやオゾン発生器に興味はあるけど、危険性、健康被害、副作用、その他人体への影響などが不安な方は是非お読み下さい。
なんとなくオゾンは怖い…(よくわからないけど)
そういう人たちに対して、何がどのように怖いのか理解してもらうのが本記事の目的です。

オゾンによる副作用と症状

オゾンは空気中に自然発生するガスですが、健康被害を引き起こすことがあります。こわいですね。
オゾンの副作用と症状を紹介します。

嗅覚への刺激臭

オゾンは特有の刺激臭があります。その空間のオゾン濃度が高濃度になると、人がそこにいた場合、鼻にツンとくるニオイが感じられます。オゾン臭と呼ばれるものです。
刺激臭と感じる臭気レベルのなか、一気に大量に吸い込むと実際に鼻の奥が少し痛くなり、「うっ、、」となります。

目の痛み・刺激

目はオゾンに弱く、刺激を受けると目の痛みや充血が起こることがあります。
私、実際にこれを体感したことが過去にあります。
そのときの現場の事情があり、やむを得ず自分でそうしたわけですが、オゾン濃度が高濃度になればなるほど目への刺激は強くなっていきますので、皆さんはご注意下さい。

喉の痛みや咳き込む症状

オゾンは呼吸器にも影響を与え、喉の痛みや咳き込む症状が現れることがあります。
人によっては目の痛み・刺激よりこれが先にくる方がいます。慣れないもの(オゾン)を吸い込むのでゴホゴホとむせるような感じです。

頭痛

オゾンによる酸素不足と、酸素不足が引き起こすストレスから、頭痛が生じることがあります。
頭痛まで引き起こしてしまうオゾン、こわいですね。。

吐き気・嘔吐

オゾンの刺激が強い場合、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。これもこわいですね。
嘔吐するときって、ものすごく身体に急に力が入ったりして、あのときの身体の動きって、自分の身体の中で一体何が起きているのかと恐怖を感じますよね。

視力低下

オゾンは角膜や眼球を傷つけ、視力低下につながることがあります。
このあたりから本格的にこわいです。
オゾンにはなんと視力を低下させる悪のパワーもあるんですよね。

胸部圧迫

オゾンが肺に影響を与え、胸部に圧迫感を感じることがあります。
もうオゾンとは一切かかわりたくないレベルでこわいですよね。

肺水腫

オゾンの影響で肺細胞が破壊され、肺水腫が引き起こされることがあります。
「肺細胞が破壊」これはなんというパワーワードでしょうか。
恐ろしすぎます。
副作用というレベルではなく、もはやオゾンは武器なのか。

生命の危機

極端なオゾン濃度が続くと、生命に危険を及ぼすことがあります。
ついに命まで狙ってくるオゾン。こわすぎます。

オゾンの危険性〜オゾン濃度と致死率

オゾンの危険性は濃度によって異なります。
オゾン濃度が高くなると、人体への影響が大きくなり、致死率も上がることがあります。
まず、オゾンは一定の濃度以下であれば無害ですが、濃度が上がると急激に危険性が増します。

例えば、オゾン濃度が0.5ppm(500ppb)を超えると、あきらかに上部気道に刺激を感じますし、1.0ppm(1,000ppb)〜2.0ppm(2,000ppb)のオゾン濃度環境に人が2時間いた場合、頭痛、胸部痛、上部気道の渇きと咳が起こります。
50ppmのオゾン濃度環境に、人が1時間続けて滞在すると高い確率で死亡します。

オゾン濃度(ppm)人体に及ぼす影響
0.01-0.02多少の臭気を感じる場合がある
0.02-0.05オゾン特有の匂いがわかる
0.06慢性の肺疾患の患者にも悪影響はない
0.1-0.3鼻・のどに刺激を感じる
0.5オゾン環境に労働する者に慢性気管支炎等が増える
0.6-0.8胸痛・咳・呼吸困難・肺機能の低下等を生じる
1.0-2.0疲労感・頭痛等を1-2時間で生じる
5.0-10脈拍増加・体痛・麻酔状態・肺水腫をおこす
15-20小動物は2時間以内に死亡する
50人間は1時間で生命危険となる。

オゾン発生器による事故や健康被害の報告がほとんどない理由

そんなにこわいオゾンなのに、オゾンを原因としたオゾン発生器による事故や健康被害の報告はありません。
少なくても日本国内におけるオゾンが原因として認められた健康被害の事例はゼロです。
なぜでしょうか?
ここでは「事実」の部分を詳しくみていきましょう。

NITEによるオゾン発生器の事故報告は空気清浄機や加湿器より圧倒的に少ない

まず、健康被害とは別にオゾン発生器という機器の危険性・安全性について、事実の部分をみてみましょう。

NITE(製品評価技術基盤機構)のデータによると、オゾン発生器の事故報告は空気清浄機や加湿器よりも圧倒的に少ないです。
この事実から、オゾン発生器という機器に危険性はなく、安全であることがわかります。

[ 参考記事 ]
【事故事例】過去にあったオゾン発生器・空気清浄機・加湿器の事故

どんどん普及が進むオゾン発生器

機器としての事故が少ないというのはわかったが、オゾンによる健康被害はどうなんだ、と思いますよね?
目や喉、頭が痛くなったり、視力低下や胸部圧迫などなど。
オゾンはこわいんだろ、と。
それは事実なのでしょうか?
はい、(条件付きで)それは事実です。

でも、ちょっと待って下さい。
そんなにオゾンが危険であるなら、なぜオゾンを原因とした健康被害の事例がないのでしょうか。
また、人の命に深くかかわる医療施設や救急車にオゾン発生器が導入されているのはなぜでしょうか。
高齢者を中心とした介護施設や、大人と比較してまだ免疫機能がそこまで発達していない子どもたちがいる幼稚園や保育園、小学校などにもオゾン発生器の導入はどんどん進んでいますが、それでもオゾンによる健康被害の報告が1件もあがってこないのはなぜでしょうか。

千葉県の栄町で救急車両に搭載されるオゾン発生器
出典:千葉県の栄町で救急車両に搭載されるオゾン発生器(https://www.town.sakae.chiba.jp/page/page004723.html)
保育園で感染症対策に利用される業務用オゾン発生器
出典:感染症対策、消臭効果も実感幼保連携型認定こども園(https://www.ozonemart.jp/blogs/interview-nursing/cluster-nikoniko-sakura-hoikuen)
介護施設に導入される有人環境専用設計のオゾン発生器
出典:介護施設に導入される有人環境専用設計のオゾン発生器(https://www.ozonemart.jp/blogs/interview-nursing/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E7%A6%8F%E5%AF%BF%E8%8D%98-%E6%A7%98)

なぜそんなに安全なのか〜安全性はどのように確保されているのか

個人差もあるので一概には言えませんが、一般的にオゾン濃度0.06ppmまでであれば人や動物が健康被害を受けることはないと考えて問題ありません。それ以上のオゾン濃度では刺激臭を感じ始めたり、オゾン濃度が高くなればなるほど症状も強いものになっていきます。オゾン濃度1.0-2.0ppmの環境に人が1-2時間いれば、疲労感・頭痛などの症状も現れます。
問題はそれなのになぜ安全なのか、ですよね。
安全性の確保について、家庭用オゾン発生器と業務用オゾン発生器に分けて、わかりやすくさらに詳しく解説します。

家庭用オゾン発生器の安全性がどのように確保されているのか

家庭用オゾン発生器と呼ばれるものは、人や動物がいる環境で空気清浄機のように常時稼働させて使用します。
また、オゾン濃度は空間の広さ✕オゾン発生量から決まります。
そのため、厳格に適用範囲が決められ、適用範囲を守って使用すれば空間のオゾン濃度が0.05ppmを超過しないように設計されています。これはちょうど人が空気をきれいだと感じる森林の中のオゾン濃度と同程度の濃度です。
適用範囲を守って使用すれば、人や動物がいる環境で常時稼働させて使用しても、絶対的な安全確保ができる。それが家庭用オゾン発生器です。

業務用オゾン発生器の安全性はどのように確保されているのか

一方、業務用オゾン発生器は家庭用オゾン発生器とは比較にならないレベルのオゾンを大量に生成・放出するため、空間内のオゾン濃度はときに1.0ppmを超過して脱臭・除菌・ウイルス除去作業が行われます。
オゾン濃度1.0ppmというと、疲労感・頭痛等を1-2時間で生じる濃度です。
それに、多くの産業分野における基準を発表している日本産業衛生学会では、「オゾンの許容濃度は0.1ppmに8時間滞在」とあります。
これはどう考えても健康被害ありそうですよね?
でも、オゾンが原因と認められた健康被害の事例はありません。
それは、そこに人がいないからです。
日本産業衛生学会が言っているのは、あくまでも「0.1ppmのオゾン濃度環境で人が滞在する場合は8時間以内にしてね」ということなんです。裏を返せば、0.1ppmだとツンとした軽い刺激と感じるオゾン臭でも8時間はそこに滞在しても健康に影響はない、ということです(でも、やめてくださいね)。

業務用オゾン発生器は多量のオゾンを生成・放出するため、1.0ppm超などの高濃度オゾン環境になるわけですが、そんな高濃度オゾン環境に人がいていいはずがありません。
業務用オゾン発生器はそもそも無人で行う機器なんです。
その空間のオゾン濃度がたとえ2.0ppmであったとしても、作業者が健康被害を受けることはありません。その場に作業者はおりませんので。。
ということで、業務用オゾン発生器も絶対的な安全確保ができているというわけなんです。

私たちの周りのオゾン

プ◯ズマクラスターやナ◯イー、ス◯リーマその他にも空気清浄機で除菌やウイルス不活化(感染させない状態にすること)を謳っている製品がありますが、あれ、実はごく微量に発生しているオゾンによるものです。
これは強いエビデンスがありますし、業界内では有名な話です。
他にも、冷蔵庫やオフィスの大型コピー機周辺、森林や海岸などでは0.02-0.05ppmを観測します。
なにも改めてこわがらなくても、私たちの日常にオゾンはすでに存在しているということです。

人間の嗅覚は生命における超高性能安全センサー

人間の嗅覚は生命において重要な役割を果たしています。
例えば、人の嗅覚がもっとも敏感になるのは(日本では)梅雨時期です。
これは、湿気が多い時期にはカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、嗅覚が敏感になって体を守る役割があるんです。
嗅覚は、私たちの生活の中で、危険を察知する高性能な安全センサーのような働きをしています。
ガス漏れや火災の煙、腐敗した食品の臭いなど、危険な状況を嗅覚が感じ取ることで、私たちの身を守ってくれます。

オゾン先進国のフランスやドイツではオゾン濃度に関する基準がない

オゾン先進国はフランスやドイツだと言われています。
日本よりも圧倒的にオゾン関連製品やサービスを目にする機会も多いです。
そんなフランスやドイツでは日本のようにオゾン濃度に関する基準などが特にありません。
なぜでしょうか?
それは、人はすぐにオゾン臭を嗅覚で感じとることができ、一瞬ツンとするような軽い刺激を伴うオゾン臭を感じる場所に長時間滞在するのは良くないことだと多くの人が理解しているからなんです。
これは別に、フランス人やドイツ人でなくても、「一瞬ツンとするような軽い刺激」を無視してそこに長時間滞在する人のほうが少ないはずです。
ちなみに、人がオゾンで刺激臭と感じるオゾン濃度は(個人差もありますが)0.8-1.0ppm程度です。

また、同じオゾン濃度でも個人差で「オゾン臭をかすかに感じる」人もいれば、「一瞬ツンとした軽い刺激臭」と感じる人もいます。
アルコールの摂取と同じです。ビール1杯で酔っ払う人もいれば、10杯飲んでも酔わない人がいるように。
まとめると、

  • 一瞬ツンとするような軽い刺激を伴うオゾン臭を感じる場所に長時間滞在するのは良くないことだと多くの人が理解している
  • その刺激臭と感じるレベルに個人差は当然ある

だから、フランスやドイツではオゾン濃度に関する基準がなくても特に問題にならないというわけです。

先に説明したように、家庭用オゾン発生器は適用範囲を守っていればオゾン濃度が0.05ppmを超過することなく、人や動物がいても絶対的に安全であること。業務用オゾン発生器は高濃度オゾン環境になるが、無人なので安全であることとは別に、「一瞬ツンとした軽い刺激臭(0.8-1.0ppm程度)」を感じる場所に長時間滞在しなければ健康被害を受けることはない、ということも是非覚えておいていただけるとあなたの安全性はさらに高まることでしょう。

各業種のオゾン発生器導入事例

オゾン発生器は、さまざまな業種で導入されていて、その効果が注目されています。
ここでは、いくつかの事例をご紹介しましょう。

まず、飲食業界では、オゾン発生器が厨房で活躍しています。
オゾンの強力な殺菌・消臭効果により、厨房内の衛生管理が向上し、お客様に安心して食事を提供できるようになっています。

医療業界でもオゾン発生器が利用されています。
医療機関では、患者さんやスタッフの感染症予防のために、清潔な空気環境が求められます。オゾン発生器は、ウイルスや細菌を除去することで、安全な環境を維持してくれます。

介護施設や福祉施設でも、オゾン発生器が導入されています。
オゾンは、空気中の悪臭や雑菌を除去するため、施設内の空気をクリーンに保つことができます。これにより、利用者や職員のストレス軽減にもつながります。

自動車業界では、車の脱臭作業にはオゾンが使用されます。車内が臭いと車両としての価値も低下しますし、タクシーなどお客さんを乗せるようなサービスの価値も下がります。その問題解決策に業務用オゾン発生器が使用されています。

その他、一般家庭はもちろんのこと、幼稚園や保育園、小学校、プロスポーツチームのロッカールームや待機室、ジムなどのスポーツ施設、清掃業、食品工場、不動産業など、今やオゾン発生器は実にさまざまなシーンで利用されています。

まとめ〜オゾンを正しく恐れる

いかがでしたか。
冒頭で少しこわがらせてしまったかもしれませんが、ここまで読んでくださったあなたは今オゾンを正しく理解して、正しく恐れることができているのではないでしょうか。
私自身、長年オゾンに携わっていますが、オゾンを原因とする副作用や健康被害など実際にはほぼ聞いたことがありません*1
*1 ただし、オゾンのニオイが苦手というケースは稀にあります。

少なくても、人には超高性能安全センサーとも呼べる嗅覚があるため、「知らぬ間に健康被害」などということは絶対にありません。
どうか安心してオゾン発生器を導入していただければと思います。

以下の記事では、オゾン発生器の選び方について解説していますので興味ある方はどうぞ。