犬や猫ほどの数ではありませんが、うさぎも多くの人に愛される動物です。今回は、そんなかわいいうさぎと一緒に暮らす人たちは何故オゾン発生器の導入率が高いのかというお話です。
飼っている動物がうさぎ以外の他の動物であっても、動物と一緒に暮らす人にとって参考になる内容になっていますので、動物好きな人全般にお読みいただければ嬉しく思います。

うさぎの特性について

うさぎは完全草食動物の小型哺乳類です。
一般的に犬や猫よりも警戒心が格段に強いため、その分ストレスにも弱いとされ、環境の変化などで調子を崩すことが多い動物とされています。
野生のうさぎは、自然界では被食者であることが多く、生存本能からかギリギリまで体の不調を表に出さないことが多い。また、外敵が多いため捕食されやすく、敵から襲われないように常に警戒しています*1
*1 ココニイル動物病院-エキゾチックアニマルの診療

うさぎが外敵から身を守るために発達した五感と超警戒システム

うさぎがいかにストレスを抱えやすいかを知るうえで、うさぎにDNAレベルで刻まれている警戒心の強さについて説明します。

うさぎの五感

聴覚
うさぎのトレードマークでもある長い耳は、可動域が広く全方位の音を拾うことができます。最大42,000ヘルツという高音域の周波数を聞き取ることができると言われており、これは人間の約2.5倍の音域です。(人間が聞き取れる音域は、17,000ヘルツ程度)これは天敵でもある猛禽類の羽音を察知するためと言われています。

視覚
ほぼ360度の視界を確保できると言われていますが、自分の口元と真後ろはわずかに死角になっています。クリっとしたかわいい目をしていますが、視力は良くありません。これは危険が及びやすい暗闇でもちょっとした動きを察知するために、人間の約8倍の光を感知できることを優先した結果だとされています。その影響で物を立体的に見ることはできません。

嗅覚
人間の約10倍の嗅覚と言われています。飼われているうさぎは、目で見るよりもニオイで飼い主を判断しているとも言われるほどうさぎにとって嗅覚は重要な感覚です。ペットとしての家うさぎであっても、ちょっとした汗のニオイを嗅ぎ分け、たとえ飼い主であってもいつもと違うニオイを発していれば、察知→警戒→ピョン!シュタタタタ!!!と急に逃げ出すこともあります。

味覚
うさぎの味蕾細胞*2は、およそ17,000個で、これは人の約1.7倍です(人の味蕾細胞がおよそ10,000個)。人間よりもはるかに優れており、8000種類の味を正確に判断できるとも言われています。

味蕾細胞(みらいさいぼう)
動物は舌にある味蕾(みらい)という器官で味を感じ取り、神経細胞を経て、脳で「甘い」「苦い」と知覚します。
出典:かずさDNA研究所-味覚を感じる神経の再配線(NL61)

触覚
アンテナやセンサーの役割を果たしているのが「ヒゲ」です。ヒゲは猫同様、うさぎにとっても重要な器官のひとつです。暗い場所や狭い場所でぶつからずに動けるのはヒゲのおかげ。むやみに触ったり引っ張ったりすれば、うさぎにとって大きなストレスの原因になります。

五感以外の超警戒システム

うさぎは外敵(捕食者)から身を守るために、人間では考えられないようなレベルで警戒心が強い動物です。

足の速さ
分かりやすいところでいうと、とにかく足が速いです。中でも、ジャックウサギは最高時速約80キロを出し、時速約50キロを持続することで知られています。ノウサギは時速60キロ。隠れ場所の少ない平坦な生息地に分布するため、敵に襲われた時は足の速さを活かして逃走します。それに対しアナウサギは平均時速約36キロ。ノウサギと比較して少し逃げ足が遅いのは隠れ場所が多いからです。通常は1分間120回の心拍数を半分にし、外敵が接近したら心拍数を3倍にあげ一気にトップスピードで逃げ出します。

止め足
捕食者などに足跡をたどらせないように、突然数メートルもの距離を跳ねて別方向へ進む「止め足」で日頃から警戒心を怠りません。

伏せの姿勢
うさぎの伏せは、飼い主または群れのリーダーへの服従や好奇心を示すポーズであることが多い犬のそれとは意味合いがまったく異なります。足を体の内側に折込み、耳も後に倒し、目が体のなかでもっとも高い位置にきます。これは天敵である対猛禽類への警戒でまさに「命を守るための伏せ姿勢」です。猫でいえば、これと似たような意味合い・姿勢は野性味溢れるマヌルネコなどにも観察されます。

無臭に近い体臭
ニオイは外敵に察知される大きな要因のひとつですが、うさぎには汗腺がなく、頻繁に自分で毛繕いをしていることもあり体臭(動物臭)がほとんどありません*3

*3 うさぎの体臭(動物臭/獣臭)について
体臭はほとんどないとされていますが、種類や加齢、健康状態などの理由によって体臭の有無または強弱は変化します。

警戒心が強い=ストレスを感じやすいということ

うさぎは警戒心が異常に強い動物ゆえに、犬や猫よりもストレスを抱えやすいと言われています。(自然界においては)その異常に強い警戒心が生存確率を高めているわけですが、表現を変えれば臆病な動物であるとも言えます。臆病ゆえに、ちょっとした環境の変化やうさぎが苦手な方法でのふれあいなどはストレスの原因になります。
中でも、発達した聴覚から感じとる大きな音や、同じく発達した嗅覚から感じとる人工的な香り付けなどはうさぎにとって大きなストレスの要因されています

消臭剤や芳香剤がうさぎに与えるストレス

うさぎは、揮発性のごくわずかなニオイでも感知し、またどのうさぎのニオイ付けかを尿のニオイで識別できるほど嗅覚は研ぎ澄まされています。そんな発達した嗅覚を持つうさぎが苦手なニオイは、アロマ、お線香、柔軟剤、消臭剤、芳香剤、焦げたニオイ、香水などです。

焦げたニオイも苦手だと言われていますが、それと比較にならないほどうさぎが苦手とするニオイは「人工的な香り付け」です。
香り付けのデメリットは主に3点あります。

1)薬剤の残留性による悪影響(の可能性)
これは人に限ったことではありません。一般的に、薬剤を何らかのかたちで摂取した場合、個体が小さければその分、影響は大きくなります。うさぎは、小型の種類で平均1.5kgとされています。人が継続してその残留性に触れた場合の一定水準の安全性を確保できることは分かっていても、小さなうさぎに与える長期的影響を私たちは知らないのです(執筆時点において、うさぎに関するエビデンスの存在は確認できていない)。

2)香りには好き嫌いがある
同じ人間同士であってもAさんが好きな香りは、Bさんにとって嫌いな香り(香害)だというケースは多々あります。
それが、警戒心が強く、臆病で、嗅覚が発達しているうさぎであれば健康(心身)にどのような影響を及ぼすのか。自然界にはない人工的なアロマ、柔軟剤、消臭剤、芳香剤、香水などがうさぎに大きなストレスを与えるであろうことは、容易に想像できるのではないでしょうか。

3)マスキング手法なのでニオイ戻りが発生する
消臭剤や芳香剤は一時的にニオイの元を覆い隠す(包み隠す)「マスキング」という手法によるものです。一定の時間が経過するとニオイ戻りが発生したり、複合臭へと進化します。

うさぎ好きがオゾン発生器を選ぶ理由

通常、動物を飼っている家庭でオゾン発生器が導入される理由は動物臭対策がメインです(もちろんその場合でもオゾン発生器は高い効果を示します)。
しかし、うさぎは前述の通り、外敵にその存在を察知されないように進化したことから、体臭がほとんどありません。そのため、「うさぎ臭さをなんとかしたい」というニーズはほとんどありません。もちろん、排泄物のニオイはそれなりにありますが。

では、うさぎ好きがオゾン発生器を導入する理由は?
と思いませんか?
それは、うさぎが落ち着く環境をつくるためなのです。


発達した聴覚に対して、落ち着く環境とは大きな音を立てないことです。
発達した嗅覚に対して、落ち着く環境とは、人間にとって良い香りがすることではなく、うさぎが他のニオイに邪魔されずに、自身のニオイ(主に体臭)を正常に感じとれることなのです。

「体臭」という言葉は、どちらかというとネガティブなイメージをする人が多いかもしれません。
しかし、人も動物も実は自身の体臭を嗅ぐことで無意識的に安心・リラックスしています。

家の中のさまざまなニオイ(料理臭やカビ臭などの生活臭全般)を軽減したい。けど、できる限り、うさぎにストレスを与えたくないし、長期的にみてうさぎに何らかの健康的な悪影響があってはならない。
と考える人が多いため、うさぎを飼っているご家庭においてオゾン発生器の導入率が高いものと推察します。

薬剤や人工的な強い香気を使用せずに生活臭を無臭、または無臭に近づけたいのであれば、オゾン発生器はうってつけの機器だと言えます。
オゾンは、消臭剤や芳香剤などのように、「強い香気による一時的なごまかし」とは異なり、ニオイの元である菌に直接アタックして除菌(分解作用/=脱臭)するため、根本的な解決になります。
また、安全面においてもオゾンには残留性がなく、除菌後はオゾン→酸素に戻るだけなので、人にとってもうさぎにとっても何ら悪影響はありません*4
参考:イラストで簡単に理解できるオゾン消臭除菌の仕組み

*4 前提
家庭用オゾン発生器を使用した場合という前提です。
詳しくは「オゾン発生器の使い方が知りたい」を参照して下さい。

オゾン専門家/管理人

犬や猫の体臭は消すのに、うさぎの体臭は残すみたいに矛盾して聞こえる人もいるかもしれません。そのあたりについてもう少し正確に伝わるように補足説明を加えて下さい。

動物臭を構成する臭気の要素
動物臭を構成する臭気の要素

Ozone AI

「体臭」は「動物臭」を構成するひとつの要素です。
オゾン発生器は動物の体臭そのものをなくすわけではありません。また、安全なレベルのオゾン濃度で、体臭そのものにアプローチすることは難しいでしょう。ニオイのもとは主に菌(の増殖)であり、動物の体から離れた一定の菌は空間内を常に浮遊しています。人はその菌から動物臭を感じます。すぐ近くに動物がいないときでも動物臭を感じるのはそのためであり、動物や対象(排泄物など)に近づくほど菌の数は増えるため動物臭を強く感じます。オゾンは浮遊している菌を除菌し脱臭するため、空間内の動物臭は軽減しますが、動物の体臭そのものを脱臭するわけではありません。そのため、うさぎに限らず、動物が自身のニオイを嗅ぐことを邪魔するものではありません。


オゾン専門家/管理人

適切な補足説明、ありがとう。続けて下さい。

うさぎを飼っている人はやさしい人が多い?
うさぎの飼い主は、「ニオイ(人工的な香り付け)には気をつけてあげないと」と考える人たちが多くいます。また、もともとは人工的な香り付けをそれほど気にかけないような人も、うさぎを飼うことをきっかけに「無臭派」になり、消臭剤や芳香剤だけではなく、お気に入りの香水すらつけなくなるという話もよく耳にします。

うさぎ好きはきれい好きな人が多い=衛生意識が高い人が多い?
英ペット保険会社「Petplan」の好きな動物の種類による性格傾向の調査によると、うさぎ好きの性格傾向は次のようなものが挙げられており、中でも「きれい好き」は2位でした。

1位:内向的な性格
2位:きれい好き
3位:早起きな人が多い
4位:クリエイティブな人
5位:物腰がやわらかい
6位:オタクっぽい一面を持つ
7位:自分の世界が好き
8位:自問自答が得意
9位:他人を立てることが上手
10位:控えめな性格

オゾン専門家/管理人

なるほど。うさぎ好きにはきれい好きな人が多いというデータがあるのですね。これは主観ですが、1位〜10位を眺めてみると、なんだかやさしい人が多そうな印象も受けます。全体の数としては犬と猫のほうが圧倒的に多いですが、「オゾン発生器の導入率」ではうさぎを飼っているご家庭のほうが高いというのもなんだか分かる気がします。

動物病院やペットサロンにおけるオゾン発生器の導入事例はたくさんある

人間の病院でも、空間除菌(=脱臭)・感染症対策などの目的でオゾン発生器が導入されているように、うさぎに限らず、犬や猫、その他小動物と接する機会が多い動物病院やペットサロン、ペットショップでもオゾン発生器の普及率は年々高まっています。
特に犬や猫を自宅で多頭飼いしているご家庭では、ニオイ対策や空間除菌という観点から今やオゾン発生器は欠かせないアイテムです。

その生存本能から警戒心が異常に高いゆえ、犬や猫などと比較してストレスを受けやすいうさぎ。
そんなうさぎと一緒に暮らす人たちに選ばれているオゾン発生器。
そして、さまざまな理由で、健康的に何らかの問題を抱えた動物病院でも導入されているオゾン発生器は、うさぎ以外の動物と一緒に暮らすご家庭でも、導入を検討する価値はあるのではないでしょうか。

オゾンやオゾン発生器について興味を持たれた方は次の記事もあわせてお読み下さい。
オゾンとは
オゾン発生器とは


あなたが本記事をお読みになり、うさぎを飼いたくなったのか、オゾン発生器を買いたくなったのかは分かりませんが、この記事が何かの判断材料になってお役に立てば嬉しく思います。



[参考文献]
日本獣医師会-ウサギ(http://nichiju.lin.gr.jp/small/handbook/2-usa.pdf)
ココニイル動物病院-エキゾチックアニマルの診療(https://www.coconi-iru.com/exotic/)
うさぎとの暮らし大百科(https://www.anicom-sompo.co.jp/usagi/2109.html)
ウサギ – Wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%B5%E3%82%AE)
アニコム損保-うさぎにはどんな特徴や習性がある?ペットのうさぎはどんなところがかわいい?(https://www.anicom-sompo.co.jp/usagi/2186.html)
国立研究開発法人森林研究・整備機構 森林総合研究所野生動物研究領域鳥獣生態研究室-わが国のノウサギ 2 種の生態的特徴と被害およびその対策と管理(https://www.jstage.jst.go.jp/article/treeforesthealth/24/3/24_176/_pdf)
英ペット保険会社
Petplan-ウサギカテゴリ(https://www.petplan.co.uk/pet-information/rabbit/advice/)