ハナ

オゾンやオゾン水は皮膚への悪影響はありますか?

濃度や接触時間にもよりますが、まず心配しなくていいでしょう

あくまでも「常識の範囲内のオゾン濃度であれば」という前提でお願いします。
日本皮膚科学会(日本医学会加盟学術団体)の論文によれば、1.0ppm(オゾン濃度)を24時間×10週間連続曝露テストした結果、皮膚コラーゲン量および組織に影響は見られないという結論を出していますし、私自身長年オゾンの仕事に携わるなかで、オゾンやオゾン水で皮膚や肌に何らかの悪影響を確認したという報告は1件も受けたことがありません。

たとえば、空間のオゾン濃度が5-10ppmだったり、オゾン水の溶存オゾン濃度が20ppm超だったりすればもしかしたら何らかの皮膚異常が見られるかもしれないとは思います。
ただ、空間のオゾン濃度が5-10ppmというと、もはやそこに無防備で滞在しつづけることが困難なほど高濃度な環境ですし、皮膚や肌への影響を心配する前に、喉や肺にダメージを確認するはずです。
20ppm超のオゾン水については、業務用であったとしても一般に市販されている機器でその濃度のオゾン水を生成することは難しいでしょう。
うーん、でも、オゾン水のほうは個人的には20ppmのオゾン水で毎日バシャバシャ顔や手を洗い続けても皮膚には何ら問題なさそうに思います。が、個人差もあるでしょうし、それに関する強いエビデンスを提示できないため無責任なことは言えません。

というわけで、気体のオゾンについては、喉や肺にダメージを感じるレベルでなければ、皮膚や肌へのダメージはまず考えなくていい。
液体のオゾン水は、もともと気体のオゾンよりリスクが低いこともあり、一般の方が生成できるレベルのオゾン水ではこちらも皮膚や肌へのダメージはまず考えなくていい。
という回答になりますかね。

ちなみに、日本皮膚科学会が行ったテスト「1.0ppm(オゾン濃度)を24時間×10週間連続曝露」というのはあくまでもテストであり、そもそもこのオゾン濃度環境下に人や動物が滞在してはならない濃度ですので。
オゾン濃度1.0ppmというと、ほとんどの人が気道に違和感を生じるレベルで、業務レベルの「殺菌」に相当します。完全に無人環境で作業を行わなくてはならないオゾン濃度となります。
1.0ppmを24時間×10週間連続曝露で問題ないんだから、一般の人がつくれるオゾン濃度環境で皮膚や肌に何らかの異常は出るはずもないよね、という考えです。
逆に、オゾンで美肌みたいなことを言っている一部の人たちもいるようですが、何も根拠はありませんので真に受けないようにご注意下さい。

〈参考文献〉
オゾン暴露の肺及び皮膚コラーゲンへの影響(深瀬治・橋本清澄.オゾン暴露の肺及び皮膚コラーゲンへの影響.1982.日本皮膚科学会論文)