
エンドウ
気体のオゾンより液体のオゾン水のほうがすごいと聞きましたが、本当ですか?
もしそうであるなら、どのへんがすごいのか教えてください。
気体オゾンになく、オゾン水にある「OHラジカル」がポイント!
何をもって「すごい」とするのかは人によって個人差はあると思いますが、気体のオゾンよりオゾン水のほうがすごいと考える人は実際にたくさんいますよね。
オゾンは、元の状態である気体でも効果を発揮しますが、オゾン水のほうが、殺菌をするときの業務に適しています。それは、1)オゾン水にすることで特殊な力が生まれるから、2)水は気体より断然扱いやすいから、です。
OHラジカルが特殊な力を生む

気体オゾンになく、オゾン水にあるのは「OHラジカル」です(*1)。
これが「特殊な力」の源です。気体であるオゾン(O3)は不安定な状態なので、酸素原子(O)を1個放出して、安定的な酸素(O2)になろうとします。オゾンが酸素になろうとする現象が、水(H2O)のなかで起きると、放出された1個の酸素原子(O)は、水分子(H2O)から水素原子(H)を1個奪います。
酸素原子1個と水素原子1個が結合したものが「OHラジカル」です。
O3+H2O→O2+OH+OH
OHラジカルは「電子が不足している」状態にあるので、近くの物質から「電子を奪おう」とします。電子が奪われた物質は、分解されます。
「物質の分解」能力こそ、OHラジカルの特殊な力であり、強力な殺菌力になります。
*1:https://www.gokohshoji.co.jp/data_files/view/234/mode:inline
「気体オゾン」より扱いやすいから「オゾン水」のほうが優れている
液体という性質も、オゾン水が気体オゾンより優れている理由の1つです。
気体はどこに飛んでいくかわかりません。気体オゾンは透明(*2)なので、どこまでオゾンは充満しているのか目で追うことはできません。仮に、見えたとしても飛散をコントロールすることは簡単ではありません。
*2:厳密には淡青色ですが、肉眼では確認できません。
高濃度の気体オゾンを人が一定時間吸い続けると、著しく健康を害します。
だからといって、気体オゾンを使うときに換気を強くしてしまうと、殺菌効果が低下してしまいます。
その点、オゾン水はそれがたとえ高濃度オゾン水と呼ばれる(溶存)オゾン濃度であったとしても、オゾン水が肌に触れるなどしてもまったく害はありません。
また、オゾン水であれば、殺菌したい場所に注ぐことができます。(超高濃度だったとしても)オゾン水が注がれない場所には影響が及びません。水は気体より、格段に操作性がよいのです。
以上のことから、「気体のオゾンより液体のオゾン水のほうがすごい」とする考え方もあると思います。